【新荒】ひとり遊びとお仕置きH

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大学3年の新荒です。久しぶりのお泊りデートの話。【R-18】

《注意》
・荒北さんが積極的でM気質です。
・前半は荒北さん視点のオナニー話、後半は新開さん視点でセックスしてます。

 
 恋人が久しぶりに泊まりに来るとなれば当然ながら期待しないわけがない。
 デート日から逆算してコンディションを整え、必要な備品のアレコレも抜かりなく準備した。昨日はうまく寝付けなかったし、駅で顔を見た瞬間に心臓がキュンと震えたし、浮かれ気分が落ち着かなくて何に対しても笑ってしまうし、数分前まで浴びていたシャワーだって普段以上に丁寧に気合を入れたし、すんなり事が運ぶようこっそり自分で慣らしたりもした。この後の展開に期待して身体を洗っている最中に半勃ちになっていたほどには待ちに待った夜だった。それなのに。
「わるい……起きたらいくらでもつき合うからさ、ちょっとだけ寝かせてくれ」
 そう言うなり新開はベッドに仰向けに寝転んで規則正しい寝息を立て始めた。彼にしては珍しく、寝落ちるまでに3秒もかかっていなかったかもしれない。
「はぁ!? 嘘だろ!? 寝るな新開! 今すぐ目ェ覚ませ!」
 肩を掴んで揺すっても、鼻をつまんで呼吸を邪魔しても新開はビクともしない。無防備な寝顔を晒してスヤスヤと眠り続けている。
「マジかコイツ……しゃーねーってわかっちゃいるけどよォ」
 わかってはいるが、それでもため息が出てしまう。
 大学生というものは思っていた以上に忙しない。講義やレポートなどの課題は多いし、部活とバイトを始めてしまえば知らぬ間に月日が過ぎている。おまけに新開とは物理的に距離が遠いという理由も相まって、めったに会えない状態がデフォルトだった。前回のデートは鍋を囲んだ記憶があるので確か冬だったと思う。そんな曖昧な思い出しか浮かんでこない程度にはふたりきりの時間を過ごせていない。
 冬が過ぎて春が終わり、夏の匂いが少しずつ近づいてきた5月。この日のデートも無理やり時間をひねり出して確保した。徹夜でレポートを仕上げてきたらしい新開は「電車内でずっと寝てきたから」と笑ってはいたが、会った時から眠そうだったし、何度か欠伸を噛み殺していたのも知っている。
「こんなんでよく続いてんなァ、オレら」
 ふたりの関係が変わったのは大学に進学して数か月ほど経ってから。中身のない電話ばかりかけてくる新開の意図が読めず、訝しんだ荒北が問いただした事がきっかけだった。

『オメーなァ、毎回意味ねェ電話ばっかしてきてなんのつもりだァ? 授業とかバイトとかテレビ番組とか、そんなん福ちゃんに話しゃあいいじゃねーか。なんでわざわざオレなんだよ』
『用事がないと迷惑だった?』
『べつに……迷惑とかじゃねーけどよォ、通話料金とかもったいねーだろ。そもそもオレらはだらだらくっちゃべるような付き合いじゃねーし……なんか不自然っつーか、調子狂うっつーかァ』
『いやならもうしない』
『だからァそうじゃねーって』
『じゃあ何?』
『……何って言われてもなァ。オレが電話とかメールとか苦手なの、オメーも知ってンだろ? メンドクセーから嫌なんだよ』
『ああ。でも、靖友は付き合ってくれてる。嫌なら出なきゃいいのに。なあ、なんで?』
『なんでって……つーか、オレがオメーに訊いてンだっつーの。そっちが先だろ』
『口実だよ。授業も、バイトも、今までの電話は全部靖友に電話をかけるためのただの口実なんだ』
『あ? 口実ゥ?』
『…………声が聞きたくってどうでもいい事で電話をかけちまうくらいには……おめさんのことを考えてる』
『え』
『靖友のこと……ずっと考えてる』
 
 それ以降も新開からの中身がない電話はたびたびきて、色々あった末に恋人として付き合うことになり、大学3年になった現在まで細々とだがそれなりに続いている。
 ベッドに頬杖をついてジッと新開の顔を眺める。しばらくそうやって観察していたが一向に目を覚ます気配がないので、荒北は今夜を諦めることにした。Tシャツに腕を通して立ち上がり、冷蔵庫からよく冷えたビール缶を取り出す。プルタブを引き上げて思いきり喉に流せば多少はスッキリしたような気になった。1本目を一気に空け、2本目はベッド脇に胡坐をかいて新開を眺めながらゆっくり飲み進めていく。
「自分の男を肴に飲むとかァ、たぶんオレだけだろ」
 フンっと自虐的に笑うと荒北は手を伸ばして、緩くうねった前髪をかき分けた。吊り眉と垂れた目の対比に惚れ惚れしつつビールを飲む。スッと通った鼻梁に指を這わせ、その下に続く唇も指先で撫でる。柔らかな感触が楽しくて唇を指先でつまんでいると、小声で呻いた新開がくすぐったそうに手で口元を払った。起きたのかと期待したが彼は口元をぬぐっただけでまだ目を開けない。
「あー……ヤリてェ……」
 酔って煩悩を紛らわせるつもりだったがアルコールのせいで身体が余計に火照ってきた。そもそも、準備はとっくにできているのだ。発散しそびれた性欲が身体の奥で膨れ上がり、風呂で期待勃ちしていた性器は再び芯を持ち始めている。
 荒北はひと思いに缶を呷って中身を飲み干した。空いた右手で下着を雑にずり下げ、露出させた性器を握る。
「ん……う」
 人差し指と中指を裏筋に押し当て、目の前にいる新開を見ながら陰茎を上下にしごく。目を覚ましてほしかったが今彼が起きてしまったら……そんなスリルが手の中の陰茎をさらに硬く膨張させる。
「うぅっ……やべっ、あー、きもちいィ……ったく、てめェのために抜かずに我慢してきたっつーのによォ。カワイー顔して寝やがって」
 腰を上げて膝立ちになり、上半身だけベッドに乗せた。眠る新開に近づいて彼の匂いを肺一杯に何度も嗅ぐ。“久しぶり”の威力は思った以上に凄まじく、匂いだけで充分興奮させる。ひとりでする時よりも先走りの量が多くて、陰茎に塗りたくるように指を動かすと卑猥な粘った音を生んだ。
「はぁ……う、んっ……匂い……新開のっ、匂い……」
 酒の力が大胆にさせたのか、それとも射精が近いせいか。荒北はベッドに左手をつくと屈みこんで新開に口づけた。唇を押しつけ、無反応の唇をべろりと舐める。本当はこの肉厚な唇に陰茎を押し当てて口内にねじ込んでしまいたいのだが、さすがにそこまでするだけの勇気はない。
 荒北は新開の唇とフェラチオが大好きだった。自分がする方も好きだが、新開に咥えられると気持ち良すぎて腰が砕けそうになる。厚ぼったい唇の肉感が気持ちいいし、舌先で鈴口をつつかれたり、長い舌全体で執拗に舐められたりするのも好きだ。口内も広いせいか喉深くまでたっぷりと納めてくれるし、吸いつかれたまま上下にこすられると自然と腰が浮いてしまう。咥えられながら後孔に指を挿れられるのもたまらない。外側と内側と両方から容赦なく攻め立てられるとすぐにでも射精したくなる。
 最近では彼の唇が恋しすぎて、似た唇を求めて自慰用のAVを探すほど重症化している。元々荒北は細身でスラッとしたタイプが好きで、恋愛対象としての好みと自己処理用の好みは別だった。だが新開と関係を持ってからは唇が厚めだったり、少しムチムチした体型のどちらかといえば胸が大きい女優の作品を好んで借りるようになった。おまけに半年ほど前からは新開のせいで更に余計な嗜好がついてしまったのだが、それだけは新開本人にも知られるわけにはいかず、どうにか必死に隠している。
 大好きな唇にちゅ、ちゅ、とついばむキスを繰り返し、そのまま彼のこめかみへ鼻先をうずめて匂いを嗅いだ。荒北が使っている洗髪剤の匂いと、そこに混じる新開の頭皮の匂い。鼻が利く荒北だからこそ他人の匂いに興奮してしまうのかもしれない。
 眠る恋人の匂いをオカズにして陰茎をこすり続ける。手をだせてしまう位置にいるのに手をだせない。そのもどかしさが余計に興奮を誘い、荒北をひどく欲情させる。
「ハァッ、あ……う、んッ……あー……足りねェ」
 自慰を控えていたので陰茎への刺激だけでも充分気持ちいいのだが、新開と一緒にいるせいか後ろが疼いて仕方がなかった。浴室で拡げてきた後孔が挿入を待ってヒクついている。恋人の匂いと性的刺激によって簡単にスイッチが入ってしまうくらいには、体内をイジられる悦びを覚えてしまっている。
 下着をすべて足から抜き取り、舐めて濡らした指を後ろに回した。左手で尻たぶを引っ張りつつヒクつく後孔に指先を添える。
「ん……ふッ、う……、あぁ……」
 軽く押しただけで濡れた指先は簡単に中に潜った。抵抗はほとんど無い。深く進めれば進めるほど、中に仕込んでいたローションが愛液のように指に絡んでくる。
 ひとりで慰めるときに後ろを使うことはほとんどない。半年に1度くらいはムラムラした勢いのままに指を挿入してみることもあるが、射精するほどの快感を得られたことはなかった。気持ちよくないわけではないのだが、1本、2本と指を増やしてみても満足できず、結局は陰茎をしごいて終わらせる。新開とは指の長さも太さも大して変わらないはずなのに、と毎回不思議に思うばかりだった。
 床に膝を着けてはいるものの完全にベッドに上半身を預けていた。眠る恋人のそばで声と吐息を潜め、体内をいじって快感を得る。AVで見るようなシチュエーションがいつも以上に興奮を誘って止まない。
 いれていたローションが多すぎたのか指を動かすたびにグチュグチュ鳴った。声を抑えることはできても、粘つく音はどうにもできない。音が立たないよう指を動かせば刺激が薄れて、刺激を得ようとすればイヤらしい音が大きくなる。どうしたものかと酔ったなりに考えた結果、指と穴との密着度を高めれば音が鳴らないのではと閃いた。
「う、っうぐ……キツ……」
 拡げて準備をしていたとはいえ、気が急いていたから充分ではなかったかもしれない。3本まとめての挿入はなかなかキツイものがある。それでもなんとか埋めきろうとして指先を押し進めた時、力んだ瞬間にローションがプチュプチュッと鳴って穴から溢れた。後ろから犯されている時によく聞く音に似ていて、それに気づいた瞬間、荒北の背筋をぞくぞくしたものが駆け抜けていった。
「ッ! あ、アぁ……!」
 不意の刺激に耐えかねて床を踏みしめていた爪先がギュウッと丸くなる。同時に後孔も自分の指3本をがっちりと咥えた。
「あ……まだ……たりねェ」
 3本も入っているのにそれでもまだ満足できない。もっと深い場所、陰茎でしか届かない場所が突かれる刺激を求めて疼いている。
 荒北は自身の後孔を慰めながらベッドに腰も擦りつけ始めた。Tシャツをたくしあげてベッドシーツで陰茎をこすり、外側で刺激を得る。右手の愛撫はぎこちないが何も入っていないよりはマシだった。
「あ、あッ、しんかい……寝てンじゃねーぞ……うッ、ハァ、あっ……クソッ……もっと奥っ……」
 指では届かない部分がこんなにも切ない。刺激が欲しい。新開の指で、たくましい性器で、もっともっとこれ以上ないほどに気持ちよくしてほしい。やめろと泣きわめいてしまうほどめちゃくちゃに犯されてしまいたい。もしくは、早く挿れてくれとみっともなく懇願してしまうほどにドロッドロになるまで焦らされて甘やかされたい。
 荒北は震える左手で新開の手を掴むと彼の指先をパクっと咥えた。自分を気持ちよくさせる新開のすべてが急に愛おしくなってしまったのだ。
 人差し指を咥え、中指も咥え、水かきまで丁寧に舌で舐める。べちゃべちゃと唾液をぬりたくり、次にフェラチオのように吸いついて舐めとっていく。時に舐め、時に甘噛みし、この指で身体の中をいじられているんだと自分の後孔をいじる。
「しんかいっ、しん、かいッ……いい加減起きろって。なぁ、あッ……しん、かいっ……早くっ……起きて、んんッ、ヤろうぜ、ナァ?」
 こんな痴態を見られたら恥ずかしくて恐ろしいのに、起きてほしくてたまらない。目を開けて、痴態を見下ろして、「なんだよ。相変わらず我慢できねぇな、おめさんは」と嘲笑しながら酷く扱って欲しい。
 シーツに顔を押しつけて目だけ動かして新開を見る。涼しい顔で眠る恋人とは対照的に自分はこんなにもグチャグチャに乱れて崩れている。
「こんなんっ……見られ、たらッ……あ、アッ、し、しね、る……うぅ、あッ」
 恥ずかしい。起きてほしくない。見られたくない。
 気持ちいい。見てほしい。いじってほしい。身体の奥深くまで掻きまわしてほしい。
 荒北はぎゅっと瞼を閉じて下半身にだけ集中した。射精の瞬間はすぐそこまで迫っている。
「しんかいっ、イキそ……もう、ハァ、あッ……オメーが、寝てっ、からァ……あ、イッ……あ、でそッ」
「ずいぶん楽しそうだな」
「ッ!?」
 突然の声に驚いて慌てて目を開けると新開の大きな瞳がこっちを見ていた。目を覚ましただけでなく荒北を観察するかのようにベッドに頬杖をついていて、荒北はまさかのタイミングで達してしまった。
「おまっ、アッ――う、んんッ……!」
 ベッドに押しつけていた陰茎がビクビク跳ねて精液を吐き出す。見えていないとはいえ新開の目の前で。それも、彼と目を合わせたままの状態で。
 ハァハァと肩を揺らす荒北の頬に新開が手を添えた。触れられた手のひらはひんやりしていて、思わず頬を擦りつけてしまう程に気持ちいい。
「ん……つめてェ」
「まさかとは思うけど……今イった?」
「……」
「それとも、いいとこで邪魔しちゃったかな? だったら悪かったよ。けど、あんなに何度も呼ばれたらさすがに起きるって。ほら、見ててやるから続けていいぜ。もうイクとこなんだろ?」
「……もうでてンだよ」
「やっぱりな。イッた時のエロい顔してる」
 フッと笑った新開がベッドに上がってくるよう手招きした。おずおずとベッドにのぼれば、なぜか新開が床に降りる。荒北の股の間に座り込んで膝だけを丁寧に撫でてくる。
「ずるいなあ、ひとりだけ楽しんでさ。オレにも楽しませてくれるよな?」
 穏やかな笑みに不釣り合いな物騒な匂い。チリチリした欲情に肌を嬲られ、荒北の身体が期待に満ちて震えた。

-ペダル:新荒
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int(1) int(2)