【新荒】溺れるほどの好きをあげたい

◆◆ caption ◆◆
ずいぶん前に書いた【新荒】涙の痕の続きです。【R-18】
両想いになった後、初めてセックスする新荒の話。

拍手のお礼にも書きましたが、『涙の痕』にメッセージを戴き、そこから思いついた話です。
両想いになったら新開さんは好き好き言いそうだし、じっと顔ばっか見てそうだよな~。荒北さんは見られるのが恥ずかしくって嫌がりそうだな~…等々、その後を妄想してみたら大変萌えたので書かせていただきました。ありがとうございました!
(萌えた勢いのままに書いてしまったので、あとで手直しするかもしれません)

 
『本当は心が欲しいよ。靖友の気持ちが欲しいんだ』
『……は?』
『オレなら泣かせたりしない。っていうか泣くくらいならオレにしろよ』

 互いの誤解が解け、晴れて“恋人”になれた日から約1ヶ月。ようやく面と向かって堂々と「好きだ」と言える関係になれたってのに、また新しい悩みを抱えている。
「新開」
 談話室を通り過ぎたところで呼び止められ、思わぬ声に驚いて身体が跳ねる。しまった。先に食堂を出ていったから、とっくに部屋にいるもんだと思っていたのに。
 何事もなかったフリを装って振り返れば、もちろんそこにいたのは靖友だった。両手をスエットパンツのポケットに突っ込んで、胡散臭いものでも見るような視線を向けてくる。けど、オレはそれにも気づかないフリをして「やあ、靖友。こんなとこで何してんだ?」と何か言われる前に先に訊いてみた。
「何って、出てくんの待ってたんだヨ。お前、今日来る?」
「え」
「部屋来るかって」
 靖友は俯き気味に周囲に視線を走らせると、「来んなら早めに風呂入るし」と声をひそめた。
 お前が来るって言うんならっていう態度の割りには耳だけ真っ赤だし、普通な顔してるけどスゲー意識してるんだろうなって感じがダダ洩れだ。本来なら二つ返事で飛びつくところだが、今のオレにはそれができない。グッと堪えて踏みとどまる。
「あー……今日はちょっと課題が多くてさ。それやんねぇと」
「またかよ。昨日も似たようなこと言ってたろ」
「そ、そうだっけ? いやあ、ほら、そろそろ期末試験も意識しないとだろ?」
「はぁ? まだ1ヶ月以上先だろーが」
 目の前の眉間にしわが寄る。露骨に顔をしかめられて、その表情に胸が痛んだ。
 わかってるぜ、靖友。どう考えたってオレの態度はおかしい。付き合いだした途端に“そういうこと”をしなくなったんだ。立場が逆だったらオレだっておめさんを疑うさ。けど。
「悪い。ほんとに今日は無理なんだよ。また今度、近いうちに。な?」
 そんな言葉で誤魔化せたとは思わないが、靖友はそれ以上突っ込まずに「……わーったよ」って引いてくれた。
「そんじゃーな」
 ポンと肩を叩いて靖友が背を向ける。見えなくなるまで見送った後でオレは深いため息をついた。
 罪悪感で胸が苦しい。
 イラついてるだろうに肩に触れた手は優しかった。深く追求したりしないのもオレが自発的に話すのを待ってくれてるんだろう。
「まいったな……」
 何かと理由を付けてそういう雰囲気を避けるのもそろそろ限界かもしれない。泣かせたりしないなんてカッコつけたくせに今はどうだ。靖友に要らぬ疑いを抱かせてしまっている。
「……すまねぇ、靖友」
 嫌われたら? 拒絶されたら? 好きだからこそ、手放したくないからこそ臆病になる。
 靖友とようやく気持ちが通じ合えて、全部これからだってのに。まさかこんな自分が隠れていたなんてオレ自身知らなかったんだ。
 

*
 “近いうち”を曖昧にさせたまま数日。ドアをノックする音がして、応えるより先に扉を開けたのは靖友だった。
「いるな」
「や、靖友?」
 ズカズカと部屋の中に入ってきた靖友は無言で椅子の背もたれを掴むと、座ってるオレごと椅子を回転させた。
「ん? なんだ? 突然どうした?」
「……」
「靖友?」
 話しかけても靖友は背もたれを掴んだまま何も言わない。無言でじっと見下ろしてくるだけ。意図が読めないせいか居心地が悪くてたまらないが、ただならぬ雰囲気に気圧されてしまい、どうする事もできない。
「……靖友?」
「出せよ。舐めてやる」
「……ん? え!?」
「っせーな。いいからチンコ出せっての」
「いやいや、無理だ。意味がわからない。なんで急に!?」
「無理じゃねーだろ。触ったらソッコー勃つくせに」
「そんなの誰だって、って本気か!? 嘘だろ!?」
 Tシャツの裾を思い切り捲られて、ハーフパンツを鷲掴みにされた。引っ張る力が馬鹿みたいに強い。抵抗してもズルズル下がっていく。
「靖友、離してくれ。マジで脱げちまう!」
「ったりめーだ、脱がしてンだヨこっちは。てめェが手ェ離しゃあ済むんだよ」
「なんで、こんなっ……っていうか服が伸びちまうから手ぇ離し――
「っせーな! まともに誘ったって逃げンじゃねーか!」
 思い当たる節が多すぎる。ギクっとして怯んだ瞬間、力勝負の行方は靖友に軍配が上がった。ハーフパンツは情けなくずり下げられ、今度は露出したパンツへと手が移る。肌を爪で引っ掻かれたのか脇腹に熱が奔った。
「いっ……!」
 痛みで顔をしかめても靖友は容赦しない。そっちが悪いくらいの態度でパンツを下ろしにかかってくる。
「わかったよ、わかった。自分で脱ぐから一回手ぇ離してくれ」
 服のゴムを伸ばされるのも、傷を増やされるのもこれ以上はごめんだ。仕方無しに尻を浮かせると、オレが立ち上がる前に靖友が床に膝をついた。ハーフパンツも下着もあっという間に下されて、まだ勃ってもないチンコが靖友の口の中に丸ごと消えた。
「うっ……」
 チンコの根本に鼻息がかかってくすぐったい。けど、柔らかくてあったかくて気持ちいい。
 最後の抵抗として反応しないように頑張ってみたけど、ちょっと視線を落としただけでダメだった。“オレの彼氏”が必死になって咥えてる。咥えんの、そんなに好きじゃないくせに。
 靖友が咥えてるってだけで充分刺激的なのに、不規則な舌の動きが気持ち良くてチンコは瞬く間にガチガチになってしまった。全然乗り気じゃなかったのに、これじゃあまるでオレが演技してたみたいじゃないか。
「あっ、靖、ともっ……」
 上下運動を繰り返す頭をたまらず両手で押さえる。不服そうな視線に「……スゲーいい」と呟くと、靖友は『だろーな、知ってる』って感じに鼻で笑った。
 自分ひとりで処理すらしていなかったからすでに限界だった。出したいから顔を離すようにお願いしても靖友は全然聞いてくれない。離すどころか益々深くまで咥えてくる。
「マジで出ちまうから……っ!」
 太腿がヒクヒク震える。イクのを我慢したくて掴む場所を探したけど何もない。
「靖友、このままじゃ口ん中に――
 嘘だろ。そんな奥まで咥えちまって。ほら、涙目じゃないか。苦しいくせに無理してさ。そんなに頑張ってくれて、オレだけ気持ち良くて、みんなまだ起きてる時間だってのにオレらはこんなことしてる。電気だって点けっぱなしだし、隣の部屋とか廊下からは人の声も聞こえるし、もしかしたら誰かが訪ねて来るかもしれない。口の中がぬるぬるだ。気持ち良すぎてどうしようか。まだ9時前なのに。あー、もうダメだ。もうすぐイかされる。
 チンコの先っぽが喉かどこかにトンって当たったところでもうダメだった。
 全身が硬直して、足の指が丸まる。咄嗟に噛んだ手にギリギリと歯が埋まった。
 耳の後ろから生まれた震えが身体中に散っていく。震えが収まると身体の硬直がじわじわ解けて、手足の感覚が自分の意識下に戻ってくる。
「い、今ティッシュ取るから。ちょっと待っててくれよ」
 後ろに手を伸ばそうとした瞬間にチンコをぢゅっと吸われた。下半身に鳥肌が立って意図しない呻き声が漏れる。ティッシュを取るより先に靖友が口を離して、あろう事かゴクッと喉を鳴らした。
「ん? まさか……飲んだのか!?」
「っだよ、ちゃんと勃つンじゃねーか」
「え?」
「お前、最近ずっと変だったろ。誘っても乗ってこねーし、そっちからも手ェ出してこねーし。やけに深刻な顔してっから、てっきりインポにでもなって悩んでンのかと思ったぜ。無駄に心配させんじゃねーよ」
 茶化されてるのかと思ったけど、たぶんそうじゃない。平然とした顔で口をぬぐう指先が震えている。
 オレの態度が変だったから、気が変わったんじゃないかって心配したんだろうか。だからこんな、靖友にしては珍しい手を使ってきたんだろうか。
「すまねぇ、靖友」
「あ?」
 靖友を立たせて、すぐにベッドに押し倒す。文句を言われる前にキスで口を塞いだ。
「う……新っ、か……」
 さっきまではあんなに積極的だったのに。なぜか靖友がもがいて逃げようとする。仕方なくキスをやめると意外な抗議が飛んできた。
「待てって! さっきてめェの飲んだばっかだぞ!?」
「べつに気になんねぇけど。いいよな? このまましても」
 とっくに硬いチンコを靖友の足に押し付ける。靖友は手を伸ばしてソレを掴んで、「そのために来たんだろーが」ってニッと笑った。
 

**
「……っだよ。見てンじゃねーよ」
「うん」
「見んなって」
「ああ」
「だからァ、ジロジロ見んなっつーの」
「そうだな」
「てめェは一体なんなんだよ!? いい加減にしろ!」
 生返事ばかり繰り返していたらさすがに怒られた。抱えていた右足が手を離れ、肩に一発蹴りが入る。じっと見続けるのも気に入らないみたいで、靖友は派手に舌打ちすると顔を両腕で覆い隠してしまった。
 顔も真っ赤、耳も真っ赤、首も、日焼けしてない胸板も火照って赤い。恥ずかしいから? それとも気持ちいいから? どっちにせよ、そんな靖友が可愛くて仕方ないし、もっともっと気持ち良くしてあげたい。
「なあ、気持ちいい?」
「……」
「なあって。靖友、気持ちいい?」
 抱えていた足を離して身体を屈める。顔を隠している腕にキスを落として、隠れていない顎をペロリと舐めた。
「な、気持ちいい?」
 腕の向こうで頭が縦にコクっと動く。「うん、オレも」って囁くと繋がってる部分がキュッと締め付けてきた。それに応えるべく、押したり引いたりして身体を揺さぶる。靖友の様子を伺いながら続けていると閉じていた口がだんだん緩んできた。息が弾んで、気持ちよさそうな声が出始めて、「あ」とか「ハァ」の中に「新開」が混じるようになって、たまに思い出したように下唇を噛んで声を抑える。どんな顔をしてるのかが見えなくても、唯一見えている口だけが靖友の気持ちを正直に伝えてくれる。
「靖友……そろそろヤバイかも」
 もったいないから出したくないのに気持ち良すぎて我慢が効かない。募る射精感を抑えようとして一旦ストップすると、隠れるのをやめた靖友が「後ろ向くか?」と言って起き上がろうと身じろいだ。
「後ろ? バックでってこと? そっちのが好きだった?」
「いや、オレがっつーか……お前、最後は後ろ向けって言うから」
 ああ、そうだった。思い出した。靖友に好きだって言えなくて、うっかり告白しないよう後ろを向いてもらってたんだ。
「オレはこのままがいいんだけど、だめかな?」
「……オレはべつになんだって……好きにすりゃいいじゃねーか」
 照れくさいのか何なのか、声がどんどん小さくなっていく。けど“好きにしろ”だけはバッチリ聞こえたから、素直に甘えることにした。
 正常位のまま覆いかぶさって靖友をぎゅっと強く抱きしめた。ピッタリくっついちまえばこっちのもんだ。さっきみたいに顔を隠せなくなるし、間近で顔も見れる。キスだってし放題だ。
 くっついた状態で奥深くまでチンコを押し込んでいく。これ以上は無理だろってところまで中に挿れると、声にならない声と共に靖友が背中を弓なりに反らせた。逃げられないようにしっかり捕まえて抽挿を繰り返す。
「はぁ……気持ちいい……靖友ん中、すげぇ気持ちいい」
 吐息を押し込むように耳元で囁けば腕の中の身体が震えた。「オレも」の意味なのか、うんうん言いながら背中にしがみついてくる。
 奥をトントンするたびに靖友もギュ、ギュ、って抱きしめてきた。肌に食いこむ爪はちょっと痛いけど、それ以上にめちゃくちゃ嬉しい。もっともっと気持ちよくしてあげたい。オレで、オレだけで気持ちよくなって欲しい。
「靖友……好きだ」
 自然と想いがこぼれていた。そして一度言葉にしたことで何かが吹っ切れたのか、後は堰を切ったように溢れ出てきた。
「好きだ、靖友。好きでたまんねぇ。なぁ、好きなんだよおめさんが」
「ハァ、あッ……うるせー……やめろって」
「好きだよ。ほんとに。ずっとずっと好きだったんだ」
「わーったからッ……!」
「靖友、大好きだ。おめさんに惚れてる。なあ、聞いてる? 好きなんだ靖友が」
「聞いてっから……ッ! いいから、んんっ……黙れって! なんなんだよ、急に」
「好きにしていいって言ったろ? だから好きにしてる」
「え……はぁ!?」
「これからは好きだって堂々と言えるんだ。こんなんじゃ言い足りないくらいだぜ。今までの分も言わせてほしい。なあ、靖友、ほんとに大好きだ。好きで好きでたまんねぇ。おめさんが好きすぎて嫌われたらどうしようとか、拒まれたら立ち直れねぇって変に臆病になっちまってたけど、それでも好きなもんは好きなんだ。悩むのはもうやめたよ。大好きだからこそ、もっともっとおめさんを愛していかないとな」
 わけがわからないって顔の靖友に愛情込めてキスを落とす。「好きだ」を繰り返しながら奥を突けば、靖友は「うるせーやめろ」ってしがみついてきた。身体の中も外も「好き」に反応して締めつけてくるくせにオレの彼氏はやっぱり素直じゃない。嫌だなんて言ってるけど、そのうちオレの「好き」が無いと物足りなくなるんじゃないか? 
「好きだ、靖友。好きになってくれてありがとな」
「んんッ……! はぁ、あッ!」
 ビクンとひと際大きく身体を震わせて靖友が固まった。ぴったりひっついたふたりの腹の辺りで何かがヒクヒク脈を打っている。
「イッちまったな。好きだぜ、靖友」
「……うっせーなァ。わかったっつーの」
 恨めしそうに睨む顔も真っ赤で可愛い。
 いくらでも、いつまでも。溺れるほどの好きをあげたい。
 

***END***

-ペダル:新荒
-, ,

int(1) int(1)