【新荒】戯れ

◆◆ caption ◆◆
・大学3年の付き合っている新荒です。【R-18】
プレイ話です。

【プレイ内容】
◆受け:目隠し、口枷、手の拘束、ディルド使用、イラマチオ、ブジーによる尿道いじり、メスイキ、潮吹き&セルフ顔射
◆攻め:オナホオナニー

 
 大学3年ともなるとゼミやら就職活動やらで日々忙しく、デートという名目で顔を合わせたのは実に半年ぶりのことだった。
 5限の講義終わりに洋南大学の最寄り駅で待ち合わせ、居酒屋で遅い夕飯を摂り、ほろ酔い気分で家路を急ぐ。道中は人目を忍びつつじゃれあって、家に着いた後は先を争うようにしてシャワーを浴びた。
 煌々と光る照明の下、仰向けに寝転んだ荒北に新開の影が落ちてくる。ギシリと音を立ててベッドが軋み、マットレスが沈んで揺れた。
 始まる。
 それだけで下半身に血液が流れていく。
 手を伸ばして茶色の襟足を掴み、近づく顔を受け入れる。言葉もなく唇を押し付け合い、一度触れた後は優しさも気遣いも無いキスを繰り返した。唇の隙間から乱れた呼吸をまき散らし、顔の角度を変えて何度も舐め、より深い繋がりを求めて貪る。
「靖友」
 唇を離した新開が目を覗き込んできた。欲情の熱を宿し、同時に怒りに燃えている冷たい瞳。
(あー……ヤベェな)
 これから自分は酷い罰を与えられてしまうに違いない。荒北は己の全身が期待に震えたのをハッキリ感じた。
 

*
 目隠しで視界を奪われ、口にはタオルを押し込まれ、両手は背中に回した状態で拘束されている。本来ならば四つ足で支えるはずの姿勢も腕が使えないので頭部で支えるしかなく、必然的に尻だけ上げた恰好になってしまう。
 尻が下がるたびに平手で打たれ、尻たぶがジンと熱く痛んだ。何度叩かれたかすでに覚えていないが、いじり倒された乳首に負けないくらい尻が熱を持っている。きっと左右共に赤く染まっているのだろう。内腿を震わせる荒北はシーツに頬を押し付けて辱めを耐えていた。
 ぎゅうぎゅうにねじ込まれた指が柔らかな粘膜を無遠慮に掻き分けてくる。セックスを楽しむ前戯というよりは挿入に備えた拡張に近い。分け入り、拡げ、ただただ慣らす優しくない雑な愛撫。にも関わらず荒北の性器は限界まで勃起して、先走りをひっきりなしに溢れさせていた。
 濡れた陰茎を上下に扱かれ、グチャグチャした恥ずかしい音が鼓膜も犯してくる。荒い呼吸。顔周りに籠る熱くて湿った空気。中でうごめく数本の指と、陰茎を掴んで離さない手のひら。内からも外からも刺激を与えられては我慢する方が無理だった。だが射精の一歩手前になると新開の手がぴたりと止まった。射精への波が引いた頃に再び指が動き始め、出したい欲求が高まると途端に止まる。時には陰茎の根元やカリ首を強く握られて、痛みでもって強制的に射精を阻止された。
 わかりやすく焦らされていた。自分で扱こうにも手の拘束が邪魔をして叶わず、シーツに擦り付けようものならば瞬時に平手が飛んできて、口枷代わりのタオルが罵倒も懇願も許してくれない。
 困ったことに一番の問題は目隠しだった。視界を奪われたせいで全身がやけに敏感になっていて、空気の揺れや痛みでさえもあちこちを疼かせる興奮材料に変えてしまう。
「……!」
 新開の両手が離れた数秒後、質の良くないモーター音を耳が拾った。いつだったか遊び半分で買った3000円もしないシリコン製の大人のオモチャ。サイズとモーター音が大きいだけのディルドが、音が聞こえたすぐ後に容赦なく荒北の中に潜ってきた。
「う゛、ぅッ!?」
 荒北の意思とは関係なく、ローションで濡れた内部が玩具をスルスルと迎え入れる。ひと思いに根元まで埋められて、刺激の強さに荒北の身体が一瞬だけ強張った。半年ぶりのセックスだというのに優しさが微塵も感じられない。拘束も、前戯も、恋人に対するものとはとてもじゃないが思えない。しかし新開らしからぬ手荒さが却って新鮮で、思いのほか興奮している自分がいた。
 充分にほぐれきっていない後孔には挿し込まれたオモチャが少々キツい。おまけに後ろからグイグイと押してくるので負けないために踏ん張るしかなく、そのせいで埋められた玩具を自ら締め付けることになってしまい、息苦しさと圧迫感から涙がにじんだ。
「っ――!」
 ほんの2、3回ゴリゴリと前立腺を圧迫された瞬間、言葉にする余裕がないまま我慢できずにとうとう達してしまった。弾き出された精液が勢いよくシーツに落ちる。
「……あーあ。でちまったか」
 射精直後の無防備で敏感な陰茎に手が触れた。鈴口をぬるぬると撫でられて思わぬ刺激に全身が総毛立つ。咄嗟に腰を引こうとしても逃げられず、呻きながら必死に首を振っても離してもらえず、強制的に硬くするつもりなのか新開の手が陰茎を扱き続ける。
「先にイかれたらお仕置きの意味が無くなっちまうだろ。これ以上勝手しないように栓しとこうか」
「ん!? ん゛ー!」
 栓に反応して荒北が首を左右に大きく振った。新開が何をするつもりなのかピンときてしまった。
「ヤだって? 前に使った時、イキすぎて泣いてたヤツが何言ってんだ」
 オモチャを引き抜いてから新開がそばを離れる。案の定、ヘッドボードに備え付けられた引き出しが開く音が聞こえてきた。その中に何が入っているのか、部屋の主である荒北はもちろん知っている。
 鼻歌混じりで新開が準備し始めた。コンドームのパッケージを千切るような音がしたが、恐らくそれはコンドームではない。医療用潤滑ゼリーだ。
「それじゃあ体勢変えようか」
 今度は仰向けにするつもりのようで新開の手が胴に回った。目も見えず腕も使えない荒北はされるがままに身を任せるしかなく、抱き起こされた後にヘッドボードに背中を預けた。
 M字に股を広げられ、萎えかけの陰茎がだらりと揺れる。予想通りに新開は荒北の陰茎に潤滑ゼリーを塗り始め、亀頭を中心に丹念に塗り広げた。気持ちいいような、くすぐったいような、なんとも言えない緩い快感。荒北は陰茎をピクピクさせつつ新開に身を任せていたのだが、鈴口に押し当てられた冷たい感触でハッと我に返った。その瞬間、股を閉じようとして防衛本能が働く。だが新開の身体に阻まれてそれは叶わなかった。
「んんっ、んー! んっ、うぐっ、んんっ!」
 見えない恐怖が冷汗となって肌を湿らせる。
「暴れたら痛い目みるぜ?」
 どうやら止める気はないらしい。新開の声がそう物語っている。
 指先で無理やり鈴口を広げられ、押し当てられたブジーの先端が音もなくぬるんと侵入した。
「う゛っ!?」
 ゆるゆるとブジーが中に埋まっていき、尿道を開かれる感覚に息が止まる。痛みを恐れ、余計な振動を与えないよう呼吸が自然と浅くなった。それでも足の震えは止めることができず、荒北は足の指を固く丸めて込み上げてくる恐怖をなんとか耐える。
「もうちょい、じっとして。ほら、どんどん入ってく。こんなに緩かったっけ? まさか一人で遊んでないよな?」
 否定したくても頭を振ることさえできない。ブジーの挿入がこのまま延々と続くのではと不安に駆られた瞬間、陰嚢の付け根辺りから大きな快感がブワッと広がった。
「ッ!」
 足が跳ね、喉奥で音にならない声が爆ぜる。荒北の反応を見て新開がブジーをトントンと軽くノックした。それに呼応して陰嚢付近が甘く痺れて、悩ましい高い声が鼻から抜けた。尻が浮き、突き出した陰茎が新開の手に包まれてヒクヒク震える。
「……届いたな」
 陰茎の裏筋をなぞる指先が陰嚢を撫で、会陰を過ぎて後孔に触れた。ローションとゼリーにまみれた指先はたやすく穴を割り、そのまま中へ潜ってくる。
 ブジーと指に挟まれた箇所から強烈な快感が生まれた。刺激が大きすぎて処理しきれず、手当たり次第に何かを手繰り寄せて爪を立てる。身をよじれば尻が浮いて指が深く挿さり、陰茎が揺れて尿道をこすられ、どう動いても強制的に快楽を与えられる。痛みはごくわずかですでに消え、気持ちいいしか頭になかった。ずっと続く“気持ちいい”が脳をバグらせ、尿道に居座る異物感が絶え間なく射精しているような錯覚を生む。いつしか荒北は新開の手に積極的に陰茎を擦り付けていた。
「擦り付けるほど我慢できねぇの?」
 からかわれても擦り付けが止まらない。それに応えるかのように新開もブジーが挿さった陰茎を上下に扱いた。
「うぐっ、う、ん、んんっ」
 出したい。出せない。気持ちいい。揺れる腰が止まらない。
「一人でずいぶん気持ちよさそうだな。じゃあオレも一人で遊ぼうかな」
 妙な事を言い残して新開が後孔から指を引き抜いた。ようやく挿入されるのかと思いきや再びのモーター音が部屋に響く。ひくつく穴を新開ではなくディルドに塞がれ、物足りなさを感じたがローションのキャップを開ける音も聞こえてきたので、挿入までの繋ぎと思って大人しく受け入れた。
 しかし、いつまで経っても新開が戻ってこない。それどころか少し離れた場所から何かを開封するような音と、聞き覚えのある粘着質な音が聞こえてきた。その中にたまに混じる控えめな吐息が荒北に嫌な予感を抱かせる。
――!? う゛ー! う、う゛!」
「ん? 何? って喋れないんだったな」
 ようやくそばにきた新開が口枷に手をかけた。タオルが外されるのを待つ間ももどかしく、ほどけた途端に「てめェ何してた!?」と新開がいるだろう方向に向かって叫んだ。
「まさか一人でやってんじゃねーだろーなァ!?」
「さあ。気のせいじゃないか?」
 気のせいなわけがない。さっきよりもより近い場所で、粘った音がより鮮明に聞こえてくる。
「おい! やっぱなんかしてんだろ!」
「気になる?」
「ふざけんな! 見せろ! 勝手にしやがって! 許さねーぞ!」
「はいはい、わかったよ」
 目隠しが外れると煌々とした明かりが目に染みた。嫌な予感は的中して、視界に飛び込んできたものはオナホールで自慰をする新開だった。
「てめェ、やっぱり! んなもん使いやがって!」
 手を伸ばせば容易く捕まえられるというのに。見事に反り返った陰茎をオナホールごときが旨そうに飲みこんでいく。
「あー……気持ちいい。このまま中に出しちまおうかな」
「はぁ!? 何言ってんだてめェ! 出す前によこせ!」
「ん……気持ちいい。いっつもこうやっておめさんの中に入ってんだぜ? って、そろそろ出そうだな」
「新開! ふざけてんじゃねーぞ!」
「しばらく出してなかったし絶対濃いなコレ。一発目はおめさんに飲ませるって、わざわざ溜めてきたんだ」
「じゃあさっさと食わせろ! そん中に出しやがったら許さねーぞ!」
 睨む荒北に新開が不適に笑う。端正な顔をわずかに歪めて「はぁ」と切なげな息を漏らした。
「そろそろやばいな。もうイキそうだ」
「新開! ふざけてんじゃねーぞ!」
「だすぜ靖友。ちゃんと見ててくれ」
「てめェ! おい! 新開!」
 荒北と視線を合わせたまま新開が眉間に皺を寄せた。その瞬間に手が止まり、身体が2度、3度と小さく震える。それが止むとぼってりした唇が薄く開いて、「あー……出ちまった」と残念そうに呟いた。
 歯軋りする勢いで睨みつけている荒北に新開が薄く笑いかける。ベッド上に立ち上がった彼は荒北に見せつけるようにしてオナホールから陰茎を引き抜いた。現れた亀頭には確かに濃い色の精液がべっとりと纏わりついている。
「見ろよ靖友。すげぇ濃い。量もやっばいな」
 逆さまにしたオナホールから精液がボトボトと垂れてくる。緩慢なスピードで落ちてくるそれらを手のひらで受け止めた新開は、クリームをデコレーションするかのように亀頭に塗りたくり、「いいぜ?」と柔らかに微笑んでみせた。
「……あ? 何が」
 差し出された陰茎がずいぶん近い。目の前の光景に釘付けになっていた荒北は、自分が身を乗り出していたことにも気付いていなかった。
「舐めたいんだろ?」
 答える前に唇に陰茎を押し付けられた。白濁を纏った亀頭が口内にねじ込まれ、青臭い独特な匂いが鼻に抜けていく。
 一方的で無理やりなフェラチオが始まった。しかし、傲慢な態度の割に頭を撫でる新開の手は優しい。
「どう? 久しぶりのチンコは。って、おめさんはそうでもないのか。飲み会のたびに写真送ってくるんだもんなあ。律儀に浮気の報告ありがとよ」
 そう言って新開が小さく笑う。どんな顔をしているのか確かめたくて咥えたまま見上げると、普段通りの飄々とした表情の中で目の奥だけが穏やかではない。嫉妬の火がチラつく目に満足した荒北は人知れずニヤリと笑った。
「会えねぇ間は好きにしろってオメーが言ったんだろーが。案外いいオカズになったんじゃねーの? 今頃ヤッてんじゃねーかって妄想したろ?」
「ああ。ずいぶん楽しませてもらったよ。次に会ったらどうやって虐めてやろうかって、たっぷり考えるくらいはな。で? おめさんを満足させてくれるチンコには出会えたかい?」
「おいおい、浮気相手が野郎とは限んねーだろーが。けど、いたなァオメーよりもでっけェチンコがよォ。ハメすぎてバカんなるかと思ったぜ」
「へぇ……そいつはちょっと妬けちまうなあ」
 新開の手が荒北の頬をそっと包んだ。頬を撫で、指先が顎を滑り、唇を摘まんでソフトに引っ張る。舌先で指を舐めてやると新開も嬉しそうに目を細めた。
「……この口で何人しゃぶった?」
「は? 何言っ――!?」
 突然唇をこじ開けられ、陰茎を喉奥まで一気に突き立てられた。
 えずいても、目に涙を浮かべても許してくれない。頭を両手でしっかり掴み、これでもかと深い抽送を繰り返してくる。
「もういいかな」
 息苦しさから視界が朦朧とし始めた頃、ようやく陰茎が口を去った。荒北はイラマチオの最中に何度か軽い絶頂を迎えていたが、新開の陰茎はまだ惚れ惚れするほど硬く反り返っている。当然ながらこれで終わるはずもなく、頭を掴まれた状態で荒々しくベッド上に引き倒された。
 膝が胸板についてしまいそうなほど思い切り身体を折り曲げられ、挿さりっぱなしのディルドが天井を向いた。
「前は挿れるのもやっとだったのに……いつからこんなにガバガバになったんだ? 緩かったら承知しないぜ?」
 ディルドが引き抜かれ、ぽっかり空いた穴に今度こそ新開自身が入ってくる。待ちわびていたとはいえディルド以上に深い部分へ、それも勢いよく一気に挿入されて、荒北は挿入と同時に言葉もなく達してしまった。
――ッ!」
 ガクガクと全身が震え、恐ろしい快感が四肢の隅々へ走り抜けていく。
「あれ、もうイッた? いや、気のせいか。ザーメンでてないもんな?」
「イッ……! った、イッたからァ!」
「嘘つくなよ」
「嘘じゃねぇって……! あ、あぁッ! まっ、待て、まだイッて……あっ、やッ……待――
「オレはまだなんだ。待つわけないだろ」
 容赦なく腰を打ち付けられた。突かれるたびに内臓が揺さぶられ、快感が大きな波となって押し寄せてくる。どうにかして逃れようともがいても新開はびくともせず、プレスに近い体位のせいで背中に回ったままの腕がギシリと痛んだ。
「また中イキしたな。いや、メスイキか。なぁ、そうだろ?」
 突かれるたびに目の前でピンク色の火花が爆ぜる。喘ぐだけが精一杯の状態で満足に返事もできない。そうさせている当の本人は白々しい態度で「なあってば」と荒北を強く揺さぶった。
「し、したっ、メス、イキッ……! した、からァっ……まって、止まっ……たのむ、からっ!」
「おめさんをこんなにしたのは誰かわかってるかい? なぁ、誰の雌になったんだ?」
 強く揺さぶられる。奥まで容赦なく。入る部分は余すところなく侵すような勢いで。
「ほら、誰のか言えよ」
「しん、しんかいっ、しん……かいィッ、あ、ぁ、あぁッ、しんかいッ、のっ、しんかいのォ!」
「そうだな。おめさんはオレのなんだって、忘れないようしっかり覚えとかないとな」
 息も絶えだえの状態で首を伸ばし、空気を求めて必死に喘ぐ。体重が乗った抽挿はひと突きごとに深く挿さり、荒北の弱い部分を執拗に追撃してくる。
「ほら、こうやっていいとこに当ててくれるチンコはいた? 何回もイかせてくれるヤツはいたかい?」
「あっ、あ! う、アッ、あぁ」
「奥はどうだ? こうして思いっきり突いてくれるチンコは?」
「んんっ! う゛っ、あぁッ、あッ」
「ガチガチに硬くて、太くて、長くて、おめさんを何度も満足させられるチンコは? 玉ん中が空っぽになるまでイかせてくれるチンコは?」
「もっ、むりィ、む、りッ」
「無理? そんなわけないよな」
「外してっ、これ、チンコのっ……! あ、やッ、もっ、はずして、くれェっ」
「オレがイッたらな」
「むりッ、いま、いまはずしてェッ! こわれるっ、ちんこ、もっ、こわれうからァッ!」
 鈴口からはとろとろと液が溢れていて栓の役割を成していない。腹筋も陰毛もべたべたに濡れていて、チラリと見えた限りでは小水でも漏らしたかのように灰色のシーツにも大きなシミができていた。
「すごいな。漏らしたみたいだ。これ見たらおめさんきっと驚くぜ」
「たのむからァ、はずしてっ、しんかい……アッ、うんぅっ、はずせっつってんだろッ」
 今回もまた感じすぎて涙が止まらない。ぐしゃぐしゃに濡れた顔に満足してくれたのか、「それじゃあ、溜まってたの全部だしてあげような」と新開がブジーの先端を摘まんだ。
 ブジーが引き上げられ、尿道を擦りながらゆるゆると抜けていく。それさえも荒北を細く喘がせたが、ようやく抜いてもらえるのだと安堵した。しかし油断した途端にブジーは再び戻ってきて、前立腺を軽いリズムで打ってくる。
「なっ――!」
 ブジーに合わせて陰茎が浅い部分を押してきた。抜き差しを繰り返されるたびにむず痒い排尿感が腰を震わせる。これ以上刺激を受けると本当に漏らしてしまいそうな気がして、荒北は力の入らない足で新開の肩を何度も蹴った。
「いてて……わかったよ、抜くから。蹴るなってば」
 今度こそブジーが抜けていく。しかし新開の手は愛撫を止めず、尿道に溜まった分を全部吐き出させるかのように扱き続ける。その甲斐あって鈴口から数滴のしずくがこぼれたが、それが最後だったのか後には何も出てこない。
「も、でねェって! 手ぇ、とめっ――!?」
 すでに出すものなどないはずなのに尿道の奥がにわかに疼いた。鈴口がパクパクと脈動し、じわりとした熱が尿道を下から上へと辿ってくる。
「ア!? なっ……!? 待っ、やべぇ、なんかくる、しんかい! なんか、く、るッ……!」
 プシッという音を合図に何かが弾けた。理解不能な気持ちよさが全身を駆け巡り、自分の意思とは関係なしに思い切り腰がガクガクと揺れる。揺れに合わせて顔面に液体が降ってきて、それが自分の陰茎が吐き出した潮だと理解できるまでかなりの時間を必要とした。
 打ちつけられるたびに潮が降り注ぐ。すでに言葉も発せられなくなっている荒北は、突き上げに身を任せて静かに揺さぶられていた。
「一番奥にだしてあげるからな」
 濡れた顔を厚ぼったい舌が丁寧に舐めてくる。いつのまにか足を下ろされ、新開の腕の中にしっかりと抱きかかえられていた。
 耳元で荒北の名前を呼び、呼吸を荒くした新開が思い切り奥に押し込んだ状態で動きを止めた。身体の深い部分で脈動を感じた気がしなくもない。
 息を切らせた新開が数回に分けて身体を硬直させ、おもむろに身体を起こしてキスをしてきた。荒北はそれをただ受け入れ、抜けゆく陰茎の感触にわずかに喘ぐ。
 やっと終わった。そう思った。
「見ろよ靖友」
 気だるい身体に気合を入れ、首だけ起こして新開を見る。
「まだ勃ってる」
 硬さを維持した自分の陰茎を新開がゆっくり撫でる。荒北はゴクリと喉を鳴らした。
 

**
「なあ、もう満足しただろ? オレ、いつも通りの方が好きだな」
 3回ほど交わった後で新開が拗ねたように唇を尖らせた。
「ほら、靖友のケツも痛そうだし……ってこんなに赤くさせちまってごめんな。加減したつもりなんだけど、痛くない? 大丈夫か?」
 せっかくの余韻がぶち壊され、荒北は盛大に舌打ちして身体を起こした。
「オメーなァ、もうちょっと余韻っつーもんがあんだろーが。急に素に戻ってんじゃねーよ」
「だって」
「だってじゃねェ。今日はそういうプレイで行くって話だろーが。最後までしっかりやれよ」
「おめさんはいいよな。やられてればいいんだし。こっちは大変なんだぜ? どんな風にしたらいいか色々考えたり、酷いことだってしなきゃなんねぇし」
「の割にはノリノリだったじゃねーか。よかったんだろ? 正直に言えよ」
 胡座をかいて頬杖をつき、手を伸ばして新開の性器を手に取る。手のひらの上でコロコロと転がしてやると、通常サイズに戻っていた陰茎がわずかに反応を見せた。
「まあ、ちょっとはな……新鮮だったっていうか、たまにならいいかなって」
「そんじゃー、今度はオメーがやるか? 浮気三昧のサイテー野郎の役。結構ハマるぜ、コレ」
「……靖友がマジで怒らないって約束してくれたらな」
「あ? オレがァ?」
「演技のつもりが本気でムカついてイライラするだろ? 捏造した浮気のせいでマジで責められちゃたまんないからな。挙げ句の果てに去勢してやるとか言い出しそうだし」
 そう言いながら荒北の手をやんわりどける。脱ぎ散らかした服の山から自分の下着だけを引っ張り出すと、早々に穿き直して性器をしまった。
「っせーなァ、しねーよそんなん。大丈夫だって」
 腑に落ちていない顔が腑に落ちない。自分だって途中からは本気で妬いていたくせに。喉元まで出かかった言葉をぐっと飲み込む。自分のものだと言い放ったところは明らかに本気の匂いがしていた。
「ま、気が向いたらまたやろーぜ」
「気が向いたらな。なあ、腹減らないか? コンビニ行こうぜ」
 言われてみれば。意識した途端に腹が減って胃が鳴った。抱き合いっぱなしだったせいか水分補給もほとんどしていない。
「うげ、喉スゲーカラカラァ」
「ああ。声が掠れて色っぽいよな」
「ニヤケてんじゃねぇ。てめェのせいだぞ。責任とってベプシ1本な」
「1本でいいのかい? 叩いたお詫びに5本くらい買わせてくれよ」
 5本という数字はどこから出たのだろうか。
 尻はヒリヒリしているが見た目ほどの痛みはない。けれど、せっかくの好意を断ってはバチがあたる。ベプシ5本で新開の罪悪感が晴れるというなら、ありがたく受け取った方が彼のためだ。荒北は着替える新開の背中を見ながらニヤリとほくそ笑んだ。
「靖友」
「あ?」
「本気のお仕置きはあんなもんじゃないからな」
 振り返って微笑む新開は些細な企みに感づいたのか、それとも本当の牽制なのか。多少の後ろめたさを感じた荒北は「おー? へぇ、そォ」としか返せず、曖昧に笑ってごまかした。
 
 

 2つの足音が明け方の住宅街に静かに響く。
「新開、やっぱベプシ1本でいいわ」
「ん? なんだよ、遠慮してるのか? 5本買うぜ?」
「あー……いや、うん。ありがとナ。でも1本で頼む」
 

***END***

-ペダル:新荒
-, ,

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